長野県戸隠で暮らす栗原健さんによる、季節の花と地域の魅力を伝える「今日の一輪」をお届けします。

サザンカとツバキはよく似ているので、見分けるのにちょっとしたコツがあります。品種によって例外はありますが、“花びらが散る”のがサザンカ、“花ごと落ちる”のがツバキ、という説が有力です。はらりと散って、道につもる花びらは、まるで雪のように感じます。

ツバキ科ツバキ属のサザンカは、日本原産の植物で「山茶花」と書き、これがそのまま「Camellia sasanqua」という学名の由来となっています。

濃いみどり色の厚い葉で寒さに耐え、晩秋から春にかけて花を咲かせるサザンカ。その様子から「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」などの花言葉を持っています。街路樹や庭木に使われることも多く、冬の町に彩りを加える花として愛され、育てられてきました。

こちら長野の戸隠ではちらちらと雪が降りはじめました。もうすぐ、町が白く覆われる季節です。厳しい冬を耐え忍ぶ、サザンカの「ひたむきさ」を見習いたいと思います。その一方で、今年も真っ白な世界を見るのを楽しみにしています。

私をそわそわさせる、雪のように白い花。

この花について

名前:サザンカ
ツバキ科ツバキ属
花期:10月〜2月
花言葉:『困難に打ち克つ』『ひたむきさ』『理想の恋』